算数・数学勉強法
算数・数学を学ぶ目的
算数や数学を学ぶ目的はなんでしょうか?
計算が早くできるようになること?文章題が解けること?
図形の問題で補助線がひけるようになること?
いえ、違います。
算数・数学を学ぶ目的は「物事の本質を考えること」です。
では物事の本質を学ぶために必要なことは何でしょうか。
数学的に本質的な問いとは何か?
問題が解けるということ
算数や数学の問題でわからない問題に出会ったときに君たちはどうしていますか?
解説を読む?先生に聞く?いずれにしても自分で解決しようとするはずです。
解説を読んだり、先生に聞いたりするとその場ではすごくわかったつもりでも
席に戻って(家に帰って)いざ自分で解こうとすると、あれ?なんだったかな?
と言ってまた解けなくなることはないですか?
それは自分のわからない状態を自分の分かる状態まで帰着させていないことが原因です。
物事にはいろんなわからないことがあります。でも、自分がわかっていることまで落とし込むことができれば、いろいろな問題が解ける(分かる)ようになります。
あっこの問題って、結局こういうことなんやな。前にならったこの知識を使えば良かったんか。
こんな風に自分が解ける状態まで帰着させる。
自分が知っている状態まで落とし込む。
結びつけられないときは、勉強がたりないということ。
勉強が足りないことを自覚して勉強することができるか。
高校生であればこれは自分でやっていけると思いますが、
中学生や小学生はこの帰着が難しいので、先生の出番です。
この子ができていない原因はどこなのかを探して、そこまで戻ってあげること。
算数や数学は積み上げの科目なので、結局そこが理解できていないから
何となく公式やパターンで乗り切っていることもあります。しかしそれではもったいない。
物事には何でも理由や原因があって、その元の部分を考えるというのがすごい大事です。
計算ができない理由も計算力っていう言葉ですますのではなくて、割り算が苦手だとかそもそも九九のスピードがないとか、いろんな原因があるわけです。
それをきちんと判断してあげるのが先生の仕事で、目の前の問題があっているかどうかはそんなに問題ではありません。あっていても、不安定な生徒は結構います。
逆に、できていないけど、しっかり考えることはできているな。という生徒もいるのです。
間違えたけど確かにそういう考え方もあるよな。と思える生徒の答案をたくさんみてきました。
確かにテストの点数は大事かもしれませんが、それ以上にその生徒の答案はもっと大事です。
間違えたときに一番伸びる可能性があるのですから。
自分でやったことが正しいか間違っているかを判断できる
小学生のうちは、ケアレスミスを続出させます。なんでこんな問題もできないの!って保護者の方は思うかもしれません。でもそれは仕方のないことなんです。
小学生の10歳になるまではメタ認知といって、自分を客観的にみる能力がまだありません。
テストが終わったときに、
お母さん!今日のテストめっちゃできたと思う!多分100点!
と言っていたのに、テストが返ってきたら100点どころかミスしまくりで平均点もない・・・
というような経験はありませんか?そうなんです。彼らはまだ見直しができません。
見直しができるというのは結構人間の能力としてはハードルが高いんですよね。
あんまり見直し見直しばっかり言っていると、せっかく正解していたのにあっという間に不正解になっていく子をみたこともあります。自信がないんですよね。
数学・算数の勉強の目的の二つ目は
自分でこの答えが正しいか間違っているかが判断できる
ということです。
先生?この問題あってる?間違ってる?
とか
先生!これひき算?たし算?
と聞く生徒は軒並み算数や数学ができません。
それを考えるのが算数やで。ヒントは問題文に隠されてるんやで。
と指導しています。
だから
ノート作り
が大切です。途中の式を書く。綺麗な字で書く。それは先生のためではなく、
自分のためです。自分の考えを客観的に見れるようになること。それが力を伸ばす方法です。
根拠を明確にして、考えることができる。
中学生になると証明を学習します。高校生になると十分必要条件というみんなが難しく感じるテーマを学習します。実はこれめちゃくちゃ大事です。
証明をすることで、自分のアイデアが正しいかどうかを判断することができます。
もちろん世の中には証明できないものもたくさんあります。
しかし、算数や数学において証明の練習をすることは社会人になってからもかなり役立ちます。
根拠を明確にすることで、相手を説得(納得)させることができるし、
自分も矛盾した意見を言わないようになります。
算数や数学の勉強をしているようで実はとても大切なことを学んでいるですね。
根気が必要!すぐにできるようにはならない!
数学や算数を得意にするためには、上で述べたような点に気をつけて勉強をしなければいけません。
問題が解けなかったときに
どうして解けなかったのか?ミス?そもそもわかってない?理解不足?
間違えた答案をみて
自分でミスに気づけるか?ミスを自分でなおせるようになるか?
証明問題
自分で矛盾のないように正しく証明できるか。
これを最終的にはできるようになることが大事です。
そのためには、
小学生(遅くても中学生)の時期から自学自習を身につけること
自分で答え合わせをさせることを恐れる保護者の方もいますが、
自分で答え合わせをしてズルをしたり、自分に甘かったりする経験は誰もがあります。
そこで、確かに自分のためにならんよな。自分で自分に勝たないとな。
と思ってもらうチャンスなのです。それを奪っていつまでも管理をしていると、
一番学力的に伸びて、勉強が面白い!と感じる高校生の時期に、
どう勉強していいのかがわからない生徒になってしまいます。
自分で勉強をするのはとても大変で、少しずつしか進まないときもあるけれど
それでも自分の頭で考えながらやっていく能力は
社会に出てからも役立ちます。
数学コーチャーとしての役割
僕は、数学コーチャーとして、多くの生徒(幼児から社会人)を指導してきました。
問題が解けて嬉しい、いい点数がとれて嬉しい。
これも大事なことだけど、
やっぱり数学や算数を通じて、「考える人」になってほしいと思っています。
そのサポートができるようにこのサイトでも
マスラボの教室でも一生懸命やっていきたいと思います!
よろしくお願いします。