ディベート講座 〜 ようこそ!名越先生 〜
著作権の関係で、この映像をこのサイトで見せる事はできませんが、後半の授業のはじめに、このDVDの振り返りがあります。子ども達なりの鋭い質問も飛び出し、また、ディベートではジャッジ(第三者)の役割がとても大事であることを彼らも学んだようです。
講義の配布資料はこちらになります(PDFです)。
【生徒の感想】
イメージはすごい難しい事で政治とか経済とか環境とかを論題とするのかなと思っていたけど、楽しみながら理解することができたので、今回授業を受けることができて良かった。
【授業の後で〜coffee break〜】
今回初めて、ディベートについて話を聞いた小中学生に、「ディベートが出来るようになる」というゴールは高すぎるので、でも、折角ディベートについて聞いていただくのですから、「ディベートという“枠組み”を知ることで、学校で起こるだろう困難なことを回避したり、発想の転換によって困難を和らげる」ことを目標にしました。
幾つかポイントがあったのですが、
・他人と意見が対立することは口喧嘩ではない、と誤解を解いてもらうこと
・他人の話を「本当か否か?(事実を争う)」「すごいかどうか?(事実を認定して程度を争う)」と分けて考えること
・「では他人は、何を根拠に、どんなことを言っているのか」と、他人の主張の“聞き方”(=ポイントの押さえ方)を知ること
・逆に主張する側になった際には、(理由付けが違うのであれば)他人と違う意見を持っても構わないこと
くらい把握してもらえば、教室で生活する時に、「自分」を保てて、いらぬ対立や悩みを抱えずに済むのではないかと思っています(^^)
☆このことは、長年ディベート部を指導していて、部員とのやりとりの中で、「あぁ、中高生はこうしたことで悩むんだ。上手に悩みは解決できるのに」と思った経験が役に立っています。
例えば「『事実』と『意見』の違い」から、他人との議論のかみ合わせ方まで、日本の教育では扱いきれずにいた部分があります。それらをしっかりとは学べずに育ってしまった大人は多く、そのため、ディベートでは主要になる幾つかの項目を子どもたちには伝えきれずに、現状では学校等の育ちの場で、困っている子ども、同時に、一緒に困ってしまっている大人が多いのではないでしょうか?
私はたまたま、20年前に始まった中高生向けのディベート教育に、長年携わり、多くの経験者と意見交換を進め、また自ら試行錯誤を続けて、「ディベートの初心者にはこれだけは伝えよう」という範囲を、幸運にも掴むことができました。
今回は1時間弱の動画で、なお「長い!」と思う方がいるかもしれませんが、「ディベートという“枠組み”を、教養として知っておこう」程度で、気軽に視聴してもらえると幸いに思っております(^_^)
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なお更に「ディベートが出来るようになりたい」「ディベートが上手になりたい(試合で勝てるように強くなりたい)」という方もいらっしゃると思いますが、ひとえに「質の高いディベート経験&フィードバック」を積み重ね、修行するしか、上達の道はございません!
ただ、ディベートの枠組みを知った上で、では次に何をすれば良いのか?ということについても、実は私には“スモールステップの上達プラン(初級者用)”があるのですが、それはまた別の機会に!
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最後に、マスラボに来られて、マスラボの魅力があれば教えていただきたいのですが。
おおらかに大きな声で褒めるふるやまん(古山先生)と、それに明るく応える子どもたち。「あぁ、子ども目線のしっかりとした教育がなされえているんだな」と感じることが出来ました。
更には、私が自習時間も勉強スペースで同席していた際なのですが、ちょっと分からない部分が出てふるやまんに甘えようとした子どもに対しても、「自分で辞書で調べてごらん」など、主体的な学びを諭すふるやまんの毅然とした姿勢も兼ね備えているところが、子どもたちを脇道に脱線させずに素質を伸ばすことに繋がっているのだろうと感じました。